あまつき

最近「読書」のカテゴリが更新できてないので、今日手に取ったマンガを少し。


高山しのぶ 作 『あまつき

あまつき (4) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

あまつき (4) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)

ごちゃごちゃっとした絵で若干読み辛いですが、和服の描写、人外のデザインに「和-wa-」を感じられます。
時代劇、妖怪、仏画にぴんと来る方は視覚的に楽しめること受け合いです。


内容は、高校生のタイムスリップ、に見せかけた仮想現実世界での脱出不能もの。
ただし、描かれ方はむしろ、正統派の異世界ファンタジーに見えます。


世界観は、人と妖怪と運命を司るという天が3すくみになっていて、NPCだらけの『.hack//sign』、または大江戸版『ブレイブストーリー』といった感じ。
4巻まで読んだところ、軽い離人症気味な主人公と擬似江戸世界「あまつき」の人々との交流を軸に据えた展開で、世代の差とでもいうか、江戸(あまつき)と現代人の意識の差を、きちんと見せているのが面白いです。


ファンタジーの「あまつき」と現代(近未来)の「彼岸(現実世界)」という二つの舞台が用意されているが、今のところ両世界に共通するエピソードや因果関係が語られていないのが残念。
玉突きのようなドラマを見せるタイプではなく、いろいろな出来事をごちゃっと紹介していく中で、少しずつストーリーが動いてゆくという、ジグソーパズルのような進行です。
『バスタード!!』と『浪漫倶楽部』の合いの子と言うか、絵柄が気に入ればそれだけで楽しめるマンガです。