空の境界(上)

書店で平積みになってたときから何となく気にはしていたのですが、当時はどんな方が書いているのかつゆ知らず。で、今ごろようやく、奈須きのこ空の境界 上 (講談社ノベルス)』を手に取りました。市立図書館にあるとは思わなかった…。
…まあ、今ごろ氏の小説のレビューも無いんでしょうが、私がきちんと接するのは、これが初めてになりますので、氏の文をよく知っている方にはご容赦願いたいと思います。


これ、序盤は訳わかんないですが、後半、それも上巻終了間際で急に面白くなりますね。
序盤はふーん、と言う感じでぱらぱらと。諦めながら志向するような雰囲気は、ブギーポップのそれと近くて、ちょっと懐かしい感じですが、異常心理シーンに燃えなくなってしまった身としては、今一つぴんと来ない。…ところが、どうも黒桐くんが頑張り始めたのに興味を引かれたのが始まりだったのか、お、これはどうなるのかな、と。話の牽引役になっている人物(大概は主人公)の人柄は、話に集中するための重要な要素だなと、改めて実感。それと、魔術だの超能力だのといった、設定話が出てきた所為か。ぐいぐいと。
牽引役を見つけて、更にこの話の、異常事態を支えている屋台骨、車輪のスポークみたいなのの理屈が飲み込めたところで、ようやっと肩の力を抜いて楽しめる。…文中異世界への適応力が低くなってるかもだ。w
ともあれ、これは下巻が楽しみです。


気になっているのが、煽り文句の「新伝綺」という新語。雑誌ファウストは幾つかの企画を拾い読みしていたけど、ちょっとこの言葉のニュアンスがわからない。
…伝奇ではないのでしょうね。今のところ、この本に何かの伝承からの引用を匂わせる部分は無いようですから。強いていえば、魔術とか、英雄を定義し直したところとかに香るくらいかな。
奇妙のキではなく綺麗のキを使う辺りからすると、一からデザインされたもの、洗練の美のある伝承のようなもの、というイメージが浮かぶけれど…はてさて、どんな物語を指すのか。
こちらの意味でも楽しみです。


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