亀の色は何色?

私は「みどり」と答えたのですが、不正解。
「鼈甲(べっこう)」を見ても分かる通り、日本に古来からいる亀の色は、「茶色(黄土色)」。
甲羅に苔が生して緑になることはあっても、洗えば干草によく似た色が出てきます。


一般に「亀は緑色」と思われる切っ掛けになったのは、『ミドリガメ』の通称で、縁日などで大量に売られる「ミシシッピーアカミミガメ」だそうで、濃い緑色の体色と、両の目尻の鮮やかな赤い斑点が特徴的な亀です。私が子どもの頃には、もう神社や公園の池など、至るところで目にするようになっていました。


日本固有の亀の多くは汚濁に弱く、多くの河で死に絶えてしまったそうです。
逆に、この「アカミミガメ」は、濁った水でもしぶとく生存することから、日本中の河が汚染されるのに併せて、野生化・繁殖しています。
けれども私たちは、アカミミガメでさえも満足に暮らせないほど、河の生態系を壊してしまっている様です。
ある方の観察では、栄養不足で甲羅の歪んだアカミミガメを、最近見かけるそうです。


私たちが、身の回りの生物圏に対しても大きな責任を負っているのだということを、改めて思い知った気がします。